• 交渉相手のフォンデアライエン氏、米欧共通の基盤活用を訴え
  • 合意なければ欧州自動車への関税賦課を「真剣に」検討-トランプ氏
トランプ大統領
トランプ大統領 Photographer: Saul Loeb/AFP via Getty Images

トランプ米大統領は欧州連合(EU)との貿易交渉に臨み、「大型合意」の締結に期待感を示した。これに対し欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、米欧の類似性を活用するよう双方に呼び掛けた。

トランプ氏は21日、世界経済フォーラム(WEF)年次総会が開かれているスイスのダボスで記者団に対し、「米欧の合意は全員が成立させたいと考えているようなものになる」と発言。フォンデアライエン氏との会談中には、同氏を「非常に手ごわい交渉相手」だと知られているとし、「米国側には悪い知らせだ。米欧が大型の貿易合意について交渉するからだ」と語った。

トランプ氏はEUとの合意成立に自信を見せる一方で、合意が得られない場合には欧州産自動車への関税賦課を真剣に検討すると述べた。

同氏はダボスで、「合意が成立できないのであれば、何らかの対策を講じる必要があるだろう。なぜなら米国は通商において長年にわたり非常に不公平な扱いを受けてきたからだ」と主張。ただ、「欧州とは合意に達することができるとみている」とも語った。

米国と中国は今月15日、中国が市場環境に応じて今後2年間で米国の製品やサービスを2000億ドル(約22兆円)増やす貿易合意を結んだが、このしわ寄せが欧州に及ぶ可能性がある。ドイツのキール世界経済研究所(IfW)の調査によると、中国の購入が米国産品へと向かうことで、EUには約110億ドルの損失が生じる恐れがある。

原題:Trump Sees ‘Big Trade Deal’ With EU as Von der Leyen Urges Focus(抜粋)