- ロシアは中国国境との水際対策強化、米国は検問所設置の空港増やす
- WHOは22日に緊急会合、「国際的に懸念される緊急事態」か判断
新型コロナウイルスの感染が米国でも報告された。中国中部で発生し、数百人が感染した同ウイルスは中国以外にも広がり、各国の保健当局は拡大を封じ込めるよう取り組んでいる。
これまでに6人の死亡が報告され、中国以外でも5カ国で感染例が判明した。米疾病対策センター(CDC)の当局者は21日、最近中国に渡航した人の感染がワシントン州で確認されたと発表した。
新型コロナウイルスが昨年12月に初めて特定されて以来、感染者の数は増え続け、291人となった。そのうち139人がこの1週間に確認された。感染者は湖北省武漢市が圧倒的に多いが、北京、上海、天津、浙江、河南でも報告されている。
ワシントン州の保健当局者が21日、CDSとの電話協議で明らかにしたところでは、米国で見つかった感染者は中国に渡航後、今月15日に米国に戻った30代男性。新型ウイルスに関するニュースを見て直ちに診察を受け、念のため入院しているが体調は悪くないという。
保健当局はまだ、新型ウイルスがどの程度危険なのかやどのように感染するかを把握していないが、感染者の急増を受け、水際対策や、発症者と接触した人の追跡調査が行われている。世界保健機関(WHO)は「国際的に懸念される緊急事態」に該当するかどうかを判断するため、22日に緊急会合を開く。
ロシアは中国国境での水際対策を既に強化しており、米国は複数の空港に中国からの入国者の検問所を設置した。米国は21日、既に設置済みのニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスに加え、アトランタとシカゴにも検問所を設けると発表。CDCによると、これまでに1200人を調べたがまだ新型コロナウイルスの感染者は見つかっていないという。
ホワイトハウスのグリシャム大統領報道官は、トランプ大統領が武漢での感染拡大について説明を受けたと述べた。いつ誰が説明したかについては明言しなかった。
原題:China Virus’s Spread to U.S. Puts Health Officials on Alert (1)(抜粋)