- WHOは「国際的に懸念される緊急事態」かどうかの判断先送り
- 武漢市はバスや地下鉄など公共交通機関も停止するとCCTV
世界保健機関(WHO)は22日、新型コロナウイルスの感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するかどうかの判断を先送りしたことを明らかにした。ジュネーブでの記者会見で発表した。 WHOは23日に再び会合を開き、戦略を決めるとした。
WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は記者説明会で、「状況は刻々と変化しており、複雑だ」とした上で、「事を進めるにはより多くの情報が必要だ」と語った。
同事務局長は、新型ウイルスへの中国の対応は「称賛に値する」ものの、WHOは中国当局と共に感染拡大阻止に取り組むためチームを派遣するとした。
中国政府が新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めようと対策を強化する中、新型ウイルスの発生地、湖北省武漢市は、現地時間23日午前10時(日本時間同11時)から航空機の出発便運航や、市外に向かう列車の運行を停止する。中国中央テレビ局(CCTV)が市当局を引用して伝えた。新型ウイルスによる死者は少なくとも17人に達している。
CCTVによると、武漢市はバスと地下鉄、フェリー、長距離バスを含む公共交通機関も停止する。市民は特別な理由なく市を離れてはならないとされた。
またCCTVは先に、新型ウイルスが原因の肺炎による死者は前回発表された9人の約2倍に拡大しており、香港でも新型ウイルス感染の「暫定的な陽性反応」が2件報告されたと伝えた。米国でも1人の感染が確認されたほか、メキシコとロシアでも感染の疑いが報告されている。
人民日報によると中国では少なくとも550人の感染が確認された。香港食品・衛生局の陳肇始(ソフィア・チャン)局長によると、感染が疑われている1人は、武漢から深圳へと移動した後、鉄道で香港に入った39歳で、体温スクリーニングで発熱が判明したという。
原題:Travel From Chinese City at Center of Virus Outbreak Halted (2)