[ソウル 24日 ロイター] – 北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、外務省が前日に大使館や国際機関の外交団を招いて開催した旧暦の新年の宴会で、李善権(リ・ソングォン)新外相が演説したと報じ、外相交代を確認した。 

ソウルの外交筋は、北朝鮮が先週、外交関係のある国々に対し、李容浩(リ・ヨンホ)氏に代わって軍出身の李善権氏が外相に就任したと通知したと明らかにしていた。

李善権氏は核問題や米国との交渉に携わった経験がないため、外相任命は北朝鮮事情に詳しい専門家には意外感を持って受け止められた。ただ、2018年の南北高官協議では、祖国平和統一委員会委員長だった同氏が北朝鮮側の交渉団を率いた。 

米国務省のスティルウェル次官補(東アジア・太平洋担当)は李善権氏の外相就任について「変化があった。このこと自体が何かが起きたことを物語っている」とし、「北朝鮮が方針を転換し、交渉の場に戻り、コミットメントを示した協議を行おう」と考えていることを望むと述べた。 

その上で、米国、および米国の同盟国が取るべき最善のアプローチは、18年の米朝首脳会談で合意された核放棄の確約に基づく協議を北朝鮮が再開するまで待つことだと指摘。「われわれは急ぐ必要がない立場にある」とし、「当方の立場を明らかにした上で、合意が得られている。先方にも合意を順守するよう呼び掛けていく」と述べた。 

ただ北朝鮮は21日、米国が米朝非核化協議の期限を無視したとし、核実験や大陸間弾道ミサイルの発射を中止する約束にもはや縛られる必要はないと表明。米国が一方的な要求を押し付け、制裁に固執する場合、北朝鮮は「新たな道」を模索せざるを得ないとの立場を示した。