[ニューヨーク 27日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数や円、スイスフランなど安全 資産とされる通貨が上昇。新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を 巡る懸念が背景にある。一方、オフショア人民元は急落、豪ドルも4カ 月ぶり安値を更新した。
国営中央テレビ(CCTV)によると、新型肺炎によるこれまでの 死者は81人に達し、北京市でも初めての死者が確認された。旅行や観 光業、より幅広い経済活動への影響が懸念される。
スコシア・キャピタルの首席為替ストラテジスト、ショーン・オズ ボーン氏は「市場は新型コロナウイルスによって咳き込み、息を切らし ている」と指摘。「あらゆる市場全体において、安全資産がアウトパフ ォームする1日になった。市場には重症急性呼吸器症候群(SARS) と同様な状況となり、世界経済に一定の打撃を与える可能性があるとの 懸念が漂っている」と述べた。
テンパスのシニア為替トレーダー兼ストラテジスト、フワン・ペレ ス氏は「新型コロナウイルスを巡る状況が改善しなければ、ドルは今週 堅調に推移し続けるだろう」と述べた。
終盤の取引で、円は対ドルで0.35%高の108.89円 。 主要6通貨に対するドル指数は0.09%高の97.941 。 スイスフランも対ドルで0.18%上昇した。
オフショア人民元は一時0.9%安の6.99元と、昨年1 2月30日以来の安値を付けた。中国経済へのエクスポージャーの大きい豪ドルも対米ドルで 1.01%下落。昨年10月16日以来の安値を付ける場面もあった。
ユーロ/円は一時、2カ月ぶり安値となる119.92 円に沈んだ。その後は0.38%安の119.97円近辺で推移した。また、中国、香港、シンガポール、オーストラリアが休場だったこ とで流動性が低く、値動きが大きくなったとの指摘も聞かれた。
ドル/円 NY午後4時 108.88/108.91 始値 108.89 高値 109.09 安値 108.87 ユーロ/ドル NY午後4時 1.1015/1.1019 始値 1.1023 高値 1.1032 安値 1.1010