【香港=角谷志保美】新型コロナウイルスについて、中国疾病対策センターなどのチームが「人から人への感染は12月中旬から起きていた」との論文を米医学誌に発表したことで、中国では「情報隠しだ」と波紋が広がっている。
論文は1月29日付のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載され、各国で報じられた。
中国当局は20日まで「人から人の感染」を明言していなかった。感染者が集中する湖北省武漢市の政府は1月中旬まで「明確な証拠はまだ見つかっていない」などと発言していた。ネットには、「当局は1月初頭から知りながら隠していた」といった批判の書き込みが相次いだ。
これに対し、中国疾病対策センターは31日、批判への「説明」として、人から人への感染が12月中旬から起きていたとの見方は、感染が確定した患者425人の資料を基に「後から導き出した推論だ」と釈明した。