【ワシントン時事】米上院で開かれていたトランプ大統領の弾劾裁判は1月31日、実質審理を終えた。陪審員役の上院議員は2月5日午後4時(日本時間6日午前6時)から最終評決に臨む。トランプ氏罷免には3分の2以上の賛成が必要だが、上院は与党共和党が過半数を握っており、無罪評決が下されるのは確実な情勢だ。
弾劾裁判で民主党は、ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)やマルバニー大統領首席補佐官代行ら、ウクライナ疑惑の核心を知るとされる関係者の証人尋問を要求した。だが、31日の採決で共和党議員の賛成は2人にとどまり、証人尋問は否決された。
とりわけボルトン氏は出版予定の著書で、トランプ氏がウクライナ政府に政治目的で圧力をかけていたことを暴露すると報じられていた。証言が実現すればトランプ氏への打撃は避けられないとみられていたが、共和党のマコネル上院院内総務は「弾劾調査は民主党が多数派の下院で完了しており、上院で再開する必要はない」として、尋問への反対を正当化した。
民主党のシューマー上院院内総務は証人尋問否決後、記者団に「残念だがきょうという日は、上院が責任を果たさず、真実から目を背け、まがい物の裁判を進めた日として記憶されるだろう」と語った。
弾劾裁判は2月3日に審理を再開し、検事役の民主党議員団と大統領弁護団が、それぞれ締めくくりの陳述を行う。トランプ氏は評決前日の4日、上下両院合同会議で一般教書演説を予定。予算失効に伴う政府機関の一部閉鎖で日程が変更された昨年に続き、政治対立が激化する中での演説となる。