[フォートマディソン(米アイオワ州) 31日 ロイター] – 米大統領選に民主党から出馬しているバイデン前副大統領は31日、新型コロナウイルスの感染拡大が起こる前に米国の公衆衛生監視プログラムを縮小していたトランプ大統領を批判した。
民主党候補指名争いの初戦となる党員集会を数日後に控え、アイオワ州で遊説したバイデン氏は「われわれはコロナウイルスの危機に直面している」と発言。「科学を重視せず、感情的な排他主義と恐怖を政治利用するトランプ氏の手法を容認する時間はない」と現大統領を批判した。
バイデン氏は、副大統領を務めた2009─17年に米国が推進した世界の公衆衛生監視プログラムをトランプ大統領が縮小させたと指摘。まさに今回の新型コロナウイルス流行への対処にあたる米国国立衛生研究所や米国疾病予防管理センター(CDC)など政府機関の予算の「大幅カット」をホワイトハウスが提案したと述べた。
これに対し、トランプ陣営の広報担当者は、バイデン氏は副大統領だった2009年の豚インフルエンザ流行時に航空機の利用回避に関する「ばかげたコメント」をして、人々の混乱を招いたと反論。「対照的に、トランプ大統領は医学や科学の専門家の意見を聴き、米国民を守るためにあらゆる予防策を講じている」と述べた。
米政府は31日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を防ぐため、公衆衛生上の緊急事態を宣言。新型肺炎の震源とされる中国・湖北省に渡航した米国民を強制的に隔離するほか、過去14日間に中国に滞在した外国人の入国を拒否する措置を講じる。