【ニューヨーク時事】週末31日のニューヨーク株式相場は、中国で発生した新型肺炎の感染拡大による世界経済への悪影響に懸念が広がり、大幅下落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比603.41ドル安の2万8256.03ドルで終了した。終値では昨年8月23日以来、約5カ月ぶりの下げ幅となった。下げ幅は一時、690ドル近くに達した。
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ハイテク株中心のナスダック総合指数は同147.99ポイント安の9150.94で引けた。
新型肺炎の感染者は、中国国内で1万1000人を超えた。世界保健機関(WHO)は30日、「緊急事態」を宣言した。31日には、英国やロシアでも感染者が明らかになり、世界各地に広がっている。米政府は中国本土への渡航中止を勧告。アメリカン航空グループやデルタ航空など米航空大手は、当面の間、中国本土線全便の運航を停止する計画を発表した。
市場では、新型肺炎が、サプライチェーン(部品供給網)や観光、個人消費などに悪影響を及ぼし、米経済の成長鈍化を招くとの懸念が強まり、リスク回避で株を売る動きが進んだ。中国経済減速によりエネルギー需要が減少するとの見方から、原油価格も下落。エネルギー関連銘柄が売られた。