米イラン対立

イランのロウハニ大統領は、EU=ヨーロッパ連合で外交を担当するボレル上級代表と会談し、存続の危機にある核合意をめぐって「EUとともに問題解決に取り組む覚悟だ」と述べ、合意の維持に向けて、打開策を探りたい考えを強調しました。

EUのボレル上級代表は3日、イランの首都テヘランを訪れ、ザリーフ外相、ロウハニ大統領と相次いで会談しました。

イラン大統領府の発表によりますと、会談でロウハニ大統領は「残念なことにアメリカが核合意から一方的に離脱したことが多くの障害を生んだ」と述べ、合意維持が困難になったのは制裁を再開したアメリカのせいだと非難しました。

そのうえで「今なおEUとともに問題解決に取り組む覚悟だ。各国が合意を順守すれば、イランも再び順守する」と述べ、イランに経済支援を行うよう各国に求めるとともに、合意の維持に向けて打開策を探りたい考えを強調しました。

これに対しボレル上級代表は「核合意を維持するためにあらゆる努力を尽くす」と応じたとしています。

核合意をめぐっては、イランがウランの濃縮活動を強化していることを受けて、ヨーロッパ各国が国連による制裁の再開につながる手続きに踏み切る考えを明らかにしていますが、イラン側はこれに強く反発し、事態打開の糸口を見いだせない状態が続いています。