[ニューヨーク 3日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、新型コロナウイルスを巡る中国の政策対応が好感され、 リスク選好が改善。安全資産とされる円やスイスフランに売りが出たほか、人民元も下げ 渋る展開になった。

中国人民銀行(中央銀行)は2日、春節休暇明けの3日にリバースレポの公開市場操 作を通じて1兆2000億元(1738億ドル)を金融市場に供給すると発表した。新型 コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中、株式市場などへの悪影響に備える措置。 これにより市場の流動性は昨年の同時期よりも9000億元拡大する。

テンパス(ワシントン)のトレーディング部バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏 は「先週の株安や安全資産への買いが行き過ぎとの見方からリスク選好が持ち直した。し かし新型コロナウイルスを巡る状況が好転したわけではなく、中国の政策対応に反応した ようだ」と述べた。

オフショア人民元は一時7.023元に値下がりし、その後は0. 2%安の7.014元。 円は対ドルで0.3%安の108.67円。

 1月のISM製造業景 気指数が50.9と、前月の47.8から改善し、半年ぶりに判断の分かれ目となる50 を上回ったこともドル買いを後押ししたという。スイスフランは対ドルで0.3% 安の0.9660フラン。

 主要6通貨に対するドル指数は0.4%高の97.805。ポンド/ドルGBP =は1.6%安と下げが目立った。英国のジョンソン首相は3日、先 週末に離脱した欧州連合(EU)との将来の関係を巡る交渉でEUルールを受け入れるつ もりはないと強調し、早くも対立姿勢を鮮明にした。

 ドル/円 NY午後4時 108.68/108.71
               始値  108.51
               高値  108.79
               安値  108.49
 ユーロ/ドル NY午後4時 1.1056/1.1060
               始値  1.1061
               高値  1.1066
               安値  1.1037