【デモインAFP=時事】米アイオワ州で3日に行われた民主党の党員集会で、大統領候補としてピート・ブティジェッジ氏を支持する票を投じた女性が、同氏が同性愛者であることを知り、信仰を理由に投票内容の撤回を求める出来事があった。(写真は演説をするピート・ブティジェッジ氏)
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ブティジェッジ氏を支持する「ピート2020」と書かれたシールを身に付けた女性は、アイオワ州地方部で開かれた集会で、ブティジェッジ陣営の選挙区幹事に対し、「彼には同性のパートナーがいるって? 冗談でしょ?」と語ると、「なら私はそんな人間にホワイトハウスにいてほしくない。だから私の票を返してもらえますか?」と要求した。
この様子は動画に捉えられ、翌4日にはネット上で瞬く間に拡散。同日には中間開票結果が発表され、ブティジェッジ氏が予想外のリードをみせていることが明らかになった。
一方、女性とのやり取りに応じた選挙区幹事の女性については、その冷静で思いやりのある対応を称賛する声が上がっている。ネット上でニッキー・ヒーバーさんと特定されているこの選挙区幹事は女性に対し、候補者の性的指向は問題ではないと語りかけていた。
ヒーバーさんが「心の奥深くまで掘り下げて考えてもらいたのですが、相手が言うことに賛成できるのなら、その人が女性なのか男性なのか、異性愛者なのか同性愛者なのかは重要なのでしょうか」と聞くと、女性は「彼は聖書を読んだ方がいい」と返した。
ヒーバーさんは、ブティジェッジ氏は聖書を読んでいると返答した上で、女性に対し、あなたの考え方は尊重していると表明。「自分の心の中に問いかけてほしい。あなたはキリスト教徒女性のようだし、私もキリスト教徒の女性だから。私の神は、私に対してすべての人を愛してほしいと考えている」と語った。
これまでの世論調査では、同性愛を公言している大統領を米国人が受け入れられるかについて、まちまちの結果が出ている。米新聞社マクラッチーが昨年行った調査では、民主党の重要な支持層である黒人有権者の多くがブティジェッジ氏の性的指向を問題視する可能性があることが示されている。【翻訳編集AFPBBNews】