[ニューヨーク 19日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、主要通貨に対するドル指数が3 年ぶり水準に上昇。中国で新型コロナウイルスの新たな感染者数が減少 したことや景気刺激策への期待から、安全資産である円は9カ月ぶり安 値を付けた。

堅調な米指標のほか、米経済について慎重ながらも楽観的な見方を 示した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨もドルを支援した。

中国国家衛生健康委員会は19日、中国本土の感染者が18日に1749人増えたと発表。新たな感染者は17日の1886人から減少し 、1月29日以来の低水準となった。

シリコンバレー・バンクのシニア外為トレーダー、ミン・トラン氏 は「中国は新型ウイルス問題による経済的影響を相殺するため、刺激策 を強化しようとしている」と述べた。

ドルは対円で1.29%上昇し、5月以来の高値となる111.2 8円。円の下落率は半年ぶりの大きさ。

米連邦準備理事会(FRB)が公表した1月28─29日のFOM C議事要旨によると、政策当局者は、新型コロナウイルスの感染拡大に 伴う新たなリスクを認める一方、年内の金利据え置きについて慎重なが らも楽観的な見方を示したことが分かった。

この日発表された米指標もドルを支援。1月の住宅着工件数(季節 調整済み)は年率換算で前月比3.6%減の156万7000戸と、市 場が見込んでいた142万5000戸までは落ち込まなかった。許可件 数は約13年ぶりの高水準となり、住宅市場が底堅さを保っていること を示唆した。

また、1月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス) は前月比0.5%上昇と、2018年10月以来の大幅な伸びとなった 。

ドル指数は一時、99.73まで上昇。その後は、0.16 %高の99.601で推移した。ユーロは小幅高の約1.08ドル。英ポンドは1.30ドルを下回り、1週間超ぶり水準に下落。1月 の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年比1.8%と、6カ月ぶりの 高水準となったことを受けた。

ドル/円 NY午後4時   111.23/111.26
              始値   110.44
              高値   111.58
              安値   110.41
ユーロ/ドル NY午後4時  1.0808/1.0812
              始値   1.0790
              高値   1.0811
              安値   1.0783