米アップルは「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」で競合アプリをより目立たせたり、競合する音楽サービスをスマートスピーカー「ホームポッド」で利用可能にしたりすることを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、アップルは同社製の携帯機器でサードパーティー製ブラウザーや電子メールアプリをデフォルトのオプションとして設定できるようにする可能性を検討している。同社は08年に「アップストア」を立ち上げて以来、サードパーティーのアプリをアイフォーンのデフォルトとして設定できないようにしている。アップルは自社製品を不当に優位に立たせていると批判され、この件にはテクノロジー業界の反トラスト(独占禁止)法違反の可能性を調査している米議員も関心を寄せている。
アップルのブラウザー「サファリ」と電子メールアプリ「メール」は、アイフォーンとアイパッドで最も利用されているアプリ。
議論が非公開だとして匿名を条件に話したこれら関係者によると、同社はホームポッドにおけるサードパーティー音楽アプリへの制限を緩和することも検討している。こうしたアプリには、欧州連合(EU)の競争法当局に対し、アップルが競合のストリーミングサービスを締め出す手法を調査するよう訴えたスポティファイ・テクノロジーのものも含まれる。
アップルはまた、アイフォーンやアイパッドの音声アシスタント機能「Siri(シリ)」経由の音楽再生で、競合する音楽サービスをデフォルトとして設定できるようにするかどうかも検討している。現在デフォルトとなっているのは、同社の音楽配信サービス「アップル・ミュージック」。
関係者によれば、こうした変更についての議論は継続中ないし初期段階にあり、最終決定は下されていない。アップル広報担当者はコメントを控えた。
原題:Apple Weighs Loosening Restrictions on Rival IPhone, Music Apps(抜粋)