• ウォール街の企業では金融危機以降で最大規模の買収
  • 顧客はデジタルサービスを一段と求めている-ゴーマンCEO

  米モルガン・スタンレーは20日、ディスカウントブローカーのEトレード・ファイナンシャルを130億ドル(約1兆4600億円)で買収することで合意したと明らかにした。買収は株式交換方式で行われる。ウォール街の企業としては金融危機以降で最大の企業買収となり、モルガンはリテール市場の事業展開をさらに広げていく。

  20日の発表によると、モルガンはEトレードの3600億ドル相当の顧客資産を獲得するほか、同社の直販機能やデジタル機能も取得する。モルガンは助言業務に軸足を置いた総合的なブローカレッジサービスを補完できると見込む。

  ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「当行の顧客はデジタルアクセスやデジタルバンキングを一段と望んでいる。そして彼らの顧客は資産運用の助言を求めている」と発言。「これは当行にとって安定かつ多様化した企業への継続的な変革だ」と述べた。

  バンクレート・ドット・コムのアナリスト、グレッグ・マクブライド氏は「ウォール街の銀行は引き続きメインストリートの顧客を欲しがっている」と述べ、モルガンはEトレード買収によって「ブローカレッジの顧客や自社株を保有する従業員、さらに金融サービスの生命線とも言える低コストのリテールバンク預金へのアクセスを手にすることになる」と続けた。

  今回の取引によりEトレードの株主は1株当たりモルガン・スタンレー株1.0432株を受け取る。

原題:Morgan Stanley Dives Deeper Into Retail With E*Trade Deal (1)(抜粋)