米供給管理協会(ISM)が発表した2月の非製造業総合景況指数は、市場予想に反して上昇し、1年ぶりの高水準となった。新規受注の大幅上昇が寄与した。新型コロナウイルスへの懸念が一段と広がり始めた米国で、経済の最大部分を占めるサービス業の勢いが示唆された。

キーポイント
・2月の非製造業総合景況指数は57.3
 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想(中央値)では54.8への低下が見込まれていた
 ・1月は55.5
・3カ月連続の上昇は、2014年以来の長期連続上昇
・指数は50が活動の拡大と縮小の境目を示す

  新規受注の指数は2018年6月以来の高水準に達した。雇用の指数は7カ月ぶりの高さ。2月の非製造業総合景況指数の改善は、同月の製造業指数の低下と対照的だが、新型ウイルスの影響で消費者が旅行や娯楽、外食を控えることが米景気のリスクとして存在する。

  ISM非製造業景況調査委員会のアンソニー・ニエベス委員長は、「調査回答者の大半が新型コロナウイルスと、そのサプライチェーンへの影響を懸念している」と発表資料でコメント。

  記者団に対しては、「ウイルス感染大流行の恐れがあるにもかかわらず、回答者は景況感や経済全般に対してなお楽観的だ」と述べた。

  2月の雇用指数は55.6と、前月の53.1から上昇。景況指数は57.8に低下したが、なお健全さを保っている。前月は60.9だった。受注残は2018年5月以来の大幅上昇を記録した。

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原題:U.S. Services Gauge Hits One-Year High Before Virus (3)(抜粋)