【北京時事】中国税関総署が7日発表した貿易統計によると、今年1~2月の輸出はドル建てで前年同期比17.2%減だった。2016年1~2月以来の大幅な落ち込みで、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業活動の不振が打撃となった。サプライチェーン(部品供給網)の機能不全を通じ、世界経済に悪影響が広がる恐れもある。
1~2月の輸入は4.0%減。貿易収支は71億ドル(約7500億円)の赤字だった。
新型ウイルスをめぐっては、移動制限や経過観察で出稼ぎ労働者の職場復帰が進まず、企業活動の再開が遅れている。人手不足は貿易依存度の高い沿岸部の大都市で特に深刻化。物流の停滞も加わり、原材料の輸入や製品の輸出に響いた。消費の低迷も重しとなった。
また、海外での感染拡大を受けて外需が冷え込み、輸出受注の取り消しが相次いでいるとも伝えられており、貿易の不振はしばらく続くとみられる。