[10日 ロイター] – 米国株式市場は急反発し、前日に2000ドルを超える下げを記録したダウ平均株価.DJIはこの日1167ドル高で取引を終えた。政府による景気刺激策への期待から安値拾いの買いが入った。 

前日に2008年の金融危機以来となる大幅な下げを記録した主要3株価指数は、いずれも約5%上昇。 

ただ、S&P総合500種とナスダック総合は2月19日に付けた終値ベースの過去最高値をなお約15%下回っている。高値からの下落率が20%を超えると弱気相場入りが確認される。 

トランプ米大統領は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ホワイトハウスが景気を下支えするため、給与税の引き下げなどの措置を議会共和党と10日に協議すると明らかにした。 

ホライゾン・インベストメント・サービシズのチャック・カールソン最高経営責任者(CEO)は「前日の急落を受け、短期的な押し目買いが入ったほか、財政刺激策への期待がある」と指摘。「最大の恩恵は実際に何が行われるかではなく、計画があるように見えることだ。何かを行うという意欲が見られ、これがおそらく市場の支援材料になった」と述べた。 

前日に1991年の湾岸戦争以来となる大幅な下落率を記録した原油価格が反発したことを受け、エネルギー株.SPNYも前日の記録的な下げから回復し、5.0%上昇。 

S&P主要11セクター全てが上昇。情報技術.SPLRCTと金利に敏感な金融.SPSYが上げを主導した。 

米債利回りが過去最低水準から切り返したことで、前日に10年超ぶりの下げとなっていた金融株も6.0%上昇した。 

米宅配便大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)(UPS.N)は6.5%高。スタイフェルが投資判断を「バイ」に引き上げた。アマゾン(AMZN.O)もコーウェンの目標株価引き上げを受け5.1%上昇した。 

シェブロン(CVX.N)とマラソン・オイル(MRO.N)はそれぞれ5.3%、21.2%上昇。原油価格の急落を受け、大手米石油会社の間で設備投資を削減する動きが相次いだ。 

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.61対1の比率で上回った。ナスダックでは2.06対1で値上がり銘柄数が多かった。