[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが安全通貨である円やスイスフランに対し急反発。世界の中銀が新型コロナウイルスによる経済への影響軽減に向け追加刺激策を打ち出すとの期待がドルへの追い風となった。前日は原油価格や株価の急落を受けリスク選好度が低下し、円やスイスフランは急上昇していた。
この日は米株価も大幅に反発し、米債利回りも上昇した。
トランプ米大統領がこの日発表するとみられる景気下支えに向けた給与税引き下げなどの措置が注目されている。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「トランプ政権が新型コロナの経済的打撃を緩和するために減税や他の刺激策を実施するとの市場全体の期待を反映し、ドルの地合いは幾分改善した」と述べた。
ただ一部アナリストの間からは、ドルが底を打ったとの判断は時期尚早との声も聞かれた。 終盤の取引で、ドル指数=USDは0.5%高の96.448。
ドル/円JPY=EBSは2.7%高の105.10円。前日は101.18円まで下落していた。
円は対ユーロEURJPY=EBSや豪ドルAUDJPY=EBSでも下落。日銀当局者が必要に応じ追加緩和の用意があると表明したことを受けた動き。日銀は来週に金融政策決定会合を開催する。
ドル/スイスフランCHF=EBSは1.5%高の0.9388フラン。 ユーロ/ドルEUR=EBSは1.4%安の1.1292ドル。前日は1月初旬以来の高値となる1.1495ドルを付けていた。 ポンドGBP=D3は対ドルで1.6%安、カナダドルCAD=D3も対米ドルで0.5%安。
原油急落を受けて前日売られていた資源国通貨も小幅上向き、ノルウェークローネEURNOK=D3は対ユーロで1.3%上昇した。
ドル/円
NY終値 105.63/105.66
始値 104.93
高値 105.91
安値 103.24
ユーロ/ドル
NY終値 1.1279/1.1281
始値 1.1351
高値 1.1394
安値 1.1276