[ワシントン 10日 ロイター] – 米国のトランプ政権と議会指導部は10日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、経済対策を議論した。 

ペンス副大統領は会見で「議会から良い反応が出ている。法制化に向けて共和・民主指導部と作業を進めていく」と述べた。 

政権が提案している経済対策の柱は給与税の軽減だが、規模と期間は不透明。 

ホワイトハウス当局者によると、政権は小規模事業者や有休の病気休暇がない労働者を支援するため、行政措置を導入する可能性もある。 

民主党のペロシ下院議長と経済対策について協議したムニューシン財務長官は「どうすれば速やかに対策をまとめられるか、超党派で作業を進めていく。(新型ウイルスで)特に影響を受けている国民と、影響を受けている中小企業を支援する」と述べた。 

ペロシ議長は「共通点を見出すための」会合だったと指摘。支援対象をごく一部の人に限定する対策は受け入れられないと述べた。 

経済対策は上下両院での可決が必要になる。 

上院共和党の関係者は、トランプ政権が提案した給与税の軽減について、共和党の上院議員の間で「まちまちな見方」が出ていると指摘した。 

一方、トランプ大統領は10日、ウイルスの流行はいずれ終息すると強調、国民に冷静な対応を求めた。 

大統領は共和党上院議員らとの会合後、「(新型ウイルスの流行は)解消される。落ち着いてほしい」と述べた。「海運、クルーズ業界やクルーズ船、航空業界を守りたい」とも語った。 

この際、給与税減税や企業への支援措置に関する詳細や、経済担当高官との協議の内容は明らかにしなかった。 

民主党は、トランプ大統領が新型ウイルスによる国民の健康や経済への影響よりも、市場の懸念緩和を重視していると批判。 

民主党上院トップのシューマー院内総務は「トランプ政権は企業より国民を優先すべきだ。国民とその経済的安定を守るために適切な措置を講じるべきだ」と述べた。 

民主党は有給病気休暇や、ウイルス検査の無料化及び拡充などを求めている。 

共和党上院議員らは、経済対策の一環として検討されている給与税減税は3000億ドル規模に上る可能性があるとし、ホワイトハウスと下院民主党がこうした対策について合意できることを期待していると述べた。 

大統領と共和党上院議員の会合に出席した関係者によると、トランプ氏は給与税減税を巡り、年末までの時限措置か恒久化の2案を検討中と明らかにしたという。 

ペンス副大統領は、トランプ大統領が10日に共和党議員と協議した景気刺激策には給与税の軽減や有給家族休暇が含まれると明らかにした。 

ペンス氏は「トランプ大統領は経済対策について協議し、給与税の軽減を求めた」と述べた。 

また、中小企業が従業員に有給家族休暇を付与できるよう支援することも大統領は望んでいるとした。