中国で新型コロナウイルスの新たな感染者が減っていることを受けて、中国の保健当局は「感染のピークは過ぎた」と述べ、引き続き国内での予防対策を徹底するとともに、感染拡大が続く世界各国との協力も強化する姿勢を強調しました。
中国の保健当局は、11日に新たに15人の感染が確認されたと発表し、1日当たりの感染者は5日連続で50人を下回りました。このうち8人は湖北省の武漢、7人は湖北省以外の感染者で、さらに7人のうち6人は海外から入国した人だということです。
これを受けて国家衛生健康委員会の米鋒報道官は12日の記者会見で「感染のピークは過ぎた。感染状況は全体として低いレベルを保っている」と述べて、中国国内での流行が転換点を迎えたという認識を初めて示しました。
また、引き続き予防対策を徹底していく方針を示したうえで「WHOや各国との協力を強化して、世界全体の対策に貢献していく」と述べて、感染拡大が続く各国との協力も強化する姿勢を強調しました。
中国ではこれまでに8万人を超える感染者が出ていますが、新たな感染者が減っていることを受けて、企業活動が徐々に再開し始めています。
中国政府は感染が再び拡大することへの警戒を強めていて、首都・北京などでは感染者の流入に備えて、11日から海外から入国するすべての人を対象に、自宅などでの14日間の経過観察を求める措置をとっています。