[ワシントン 18日 ロイター] – 米大統領選の民主党候補指名を争うサンダース上院議員(78)の陣営は18日、前日の予備選でバイデン前副大統領(77)に大敗したことを受け、サンダース氏が撤退するとの報道を否定した。
サンダース陣営の広報ディレクター、マイク・カスカ氏はツイッターへの投稿で、サンダース氏撤退の報道は「全くの虚偽」と言明した。
これに先立ち、同陣営の幹部ファイツ・シャキール氏は声明で幹部は選挙対策を精査すると発表。「次の予備選まで少なくとも3週間ある。サンダース上院議員は選挙対策を精査するために支持者と対話する」とし、「短期的には、労働者や最も打撃を受けやすい人たちが保護されるように新型コロナウイルスの感染拡大に対する政府の対応に集中する」と述べていた。
バイデン氏は一連の予備選に勝利し、共和党のトランプ大統領(73)と戦う11月の本選に向け最有力候補に浮上。17日に行われたフロリダ州とイリノイ州、アリゾナ州の予備選も圧勝した。
バイデン氏は17日、地元のデラウェア州で講演し、サンダース氏の支持層に直接訴えかけた。両者は戦略で意見が合わないものの、医療保険制度や所得格差、気候変動の分野で同じ使命を共有していると述べ、「サンダース氏と支持者はこの分野で素晴らしい情熱と粘り強さをもたらした。国内での中心的な話題を変えることができた」と称賛。「サンダース氏に魅了された若者らに向けて言いたい。あなたたちの言いたいことや何が問題になっているか、われわれが何をすべきかは分かっている」と訴えた。
バイデン氏にとって、サンダース氏を支持する若年層が一番の課題とみられる。エジソン・リサーチによると、17日の予備選でサンダース氏を支持し続けたのは18─44歳の年齢層のみだった。
民主党の候補者選びは18日から中断する。新型ウイルスを巡る不安が漂う中、予備選は数週間行わない予定。複数の州が既に予備選を延期している。
エジソン・リサーチによると、17日に予備選が行われた3州では、大規模な危機への対応でサンダース氏よりもバイデン氏を信頼しているという回答が過半数を占めた。