[ロンドン 19日 ロイター] – イングランド銀行(英中央銀行)は19日、政策金利を0.25%から0.1%に引き下げ、債券買い取り枠を拡大すると発表した。新型コロナウイルスの流行に伴う英経済への影響緩和や景気の下支えに向け、追加措置が必要と判断した。
緊急利下げは先週の0.5%に続き2回目。これで今月に入ってからの利下げ幅は計0.65%になった。債券の買い取り枠は2000億ポンド上乗せし、6450億ポンド(7520億ドル)とした。
中銀は「投資家の間で短期金融商品への需要が高まる中、英国債市場は他の先進国市場と同様、過去数日間で悪化し、結果として英国内外の金融状況は逼迫した」と指摘。その上で追加の買い入れ資産のほとんどは英国債になると明言した。
さらに運用が可能になり次第、買い入れを開始するほか、新型コロナへの対応で当初の買い入れペースは通常と比較してかなり速いペースになるとした。
16日に就任したばかりのベイリー総裁は記者団に対し、国の発行した国債などを中央銀行が直接引き受ける財政ファイナンスについて、中銀として反対の姿勢に変わりはないと表明。「財政ファイナンスが何をもたらすかは歴史が証明している」と語った。
ベイリー氏は2007ー09年の世界金融危機で中銀の高官として英金融システムの崩壊を防ぐ上で中心的な役割を果たすなど危機対応には定評がある。
JPモルガン・アセットマネジメントの欧州担当主任市場ストラテジスト、カレン・ウォード氏は中銀の国債買い入れ姿勢を評価。「経済や医療制度の下支えに向け、政府の国債発行は今後、大幅な増額が避けられず、中銀の国債買い入れはそうした状況の圧力緩和につながる見込みだ」と述べた。
中銀の決定を受け、ポンド/ドルGBP= GBP=D3 GBPX1=は1%超値上がりした。