【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの流行で医療機器が不足する中、自動車メーカー各社が肺炎治療に欠かせない人工呼吸器の製造支援などに乗り出している。自動車生産で培ったノウハウを活用し、新型コロナの感染急拡大で切迫する医療現場や、苦しむ患者を手助けする意向だ。
米ゼネラル・モーターズ(GM)は20日、米医療機器メーカーのベンテック・ライフ・システムズと協力し、同社の人工呼吸器を増産すると発表。製造や調達、物流などの専門知識を提供することで「コロナウイルスとの闘いを支援する」(バーラ最高経営責任者)と強調した。
欧米メディアによると、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)も、3Dプリンターを使った人工呼吸器など医療機器の製造を検討すると表明。社内に作業部会を設け、原材料の試験や部品供給網の確認を行っていると明かした。
英国では政府の要請に基づき、日産自動車や英マクラーレンなどが3万台の人工呼吸器生産を計画。英メディアによると、来週中に試作器を完成させ、1カ月以内の生産開始を目指している。