[ニューヨーク 23日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅上昇した。米連邦準備理事会(FRB)がこの日、新型コロナウイルスの対策として無制限の量的緩和(QE)を行う方針を決定したものの、市場では企業への影響緩和を目的とした財政刺激策の行方を注視している。 

FRBはこの日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、新型コロナウイルスへの対応として無制限のQEを行う方針を決めた。米国債や住宅ローン担保証券(MBS)を必要なだけ買い取ることを全会一致で決定した。 

この発表を受け、ドルは一時急落したが、市場の関心が政府の財政政策に移ると徐々に下げ幅を縮めた。 

TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は政府の刺激策について「財政的な手段は今後もあることを考える必要がある」とし、「自宅待機や給与を受け取れない人のことを考えねばならず、そういう人たちに行き届くように時間をかけている。ただ、スピードを上げる必要がある」と述べた。 

米上院は22日、1兆ドル超の新型コロナ対策法案の採決に向けた動議を否決。民主党の反対で、可決に必要な60票(議席数100)の支持が得られず、手続き上のハードルをクリアできなかった。民主党は医療対策や州・地方当局向けの資金の増額を要求している。 

主要通貨に対するドル指数=USDはFRBの発表後、一時101.64まで下げたが、終盤は0.03%高の101.53。 

ドル/円 
 NY終値 111.20/111.23
   始値 110.64 
高値 111.59 
安値 109.84 
ユーロ/ドル 
NY終値 1.0721/1.0725 
始値 1.0690 
高値 1.0827 
安値 1.0667