- 孫氏が株式非公開化をエリオットやムバダラと協議とFT
- 孫氏の自社株保有比率は上昇、担保提供も増加
ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が、同社の株式非公開化を検討したが断念したと英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。だが、孫氏は別の方法で自らの足場を強化しているようだ。
FTによれば、孫氏はエリオット・マネジメントやアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の政府系ファンド、ムバダラなどの投資家と株式非公開化について過去1週間協議したが、代わりに資産売却計画を進めることを決めた。
24日の当局への提出書類によると、ソフトバンクG株が大きく変動する中で、孫氏の保有比率は25.5%から26.9%に上昇。金融機関に担保として提供する自社株も増えている。
提出書類によれば、孫氏は保有株60万株を追加で金融機関に提供。同氏の保有株のうちUBSグループや野村ホールディングスなどグローバル金融機関に担保提供されている割合は38.6%と、2013年の水準の3倍強となっている。
孫氏はまた、3000万株を孫エクイティーズに貸し出した。孫エクイティーズは弟の孫泰蔵氏が創業したゲーム会社ガンホー・オンライン・エンターテイメントに投資している。
ソフトバンクGの広報担当は、孫氏個人の資産状況についてコメントを控えている。
FTによると、孫氏がレバレッジドバイアウトを考え始めたのは、エリオットのロンドンオフィスのゴードン・シンガー氏がソフトバンクG株の買い増しに関心を示した後だと関係者の1人は話した。ただ、投資家コンソーシアムを速やかに編成する困難に加え、東京証券取引所の上場ルールや税制上の要因など幾つかの理由から最終的に断念したという。
原題:SoftBank’s Son Still Betting on Himself After Go-Private Talks (抜粋)