[ニューヨーク 30日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが反発。新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない中、世界的な金融緩和の流れを受け、ひとまず持ち直しに転じた。
中国人民元は下落。中国人民銀行(中央銀行)は30日、7日物リバースレポ金利CN7DRRP=PBOCを2.20%に設定し、前回(2.40%)から20ベーシスポイント引き下げた。引き下げは昨年11月以来3回目で、引き下げ幅は過去5年近くで最大となる。またシンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)も30日、市場の予想通り、金融政策を緩和。シンガポールドルの名目実効為替レート(NEER)の許容変動幅について、同変動幅の中間点をやや下回る現行水準を起点に、年間の上昇率をゼロ%とする政策を採用した。
OANDA(ニューヨーク)のシニア市場ストラテジスト、エドワード・モヤ氏は「シンガポールなど他の中銀も積極的な政策を導入し始めており、こうした流れが一時的なドル買いにつながった」と指摘した。
為替市場では、新型コロナや経済活動停止による影響などが引き続き材料視されたものの、この日の値動きは過去数日と比べてかなり落ち着いたという。バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)の主任市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「足元の値動きを見ると、投資家は短期的な視点で売買していないことがうかがえる」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.8%高の99.09。月末のポートフォリオ調整もドルを支えたという。バークレイズは調査リポートで「ドルは月初と比較して依然堅調。米国以外の債券や株式はドル建てでさらに値下がりしたが、米国株の歴史的な下落が支配的な要因となり、米ドルの買いにつながっている」とした。
ユーロ/ドルEUR=は0.9%安の1.1037ドル。ポンド/ドルGBP= GBP=D3は0.9%安の1.2366ドル。ドル/円JPY=は0.1%安の107.88円。オフショア人民元CNH= CNH=D3は0.4%安の7.1132元。豪ドルAUD=D4 AUD=D3は0.1%安の0.6158米ドル。
ドル/円
NY終値 107.81/107.84
始値 107.93
高値 108.29
安値 107.67
ユーロ/ドル
NY終値 1.1046/1.1050
始値 1.1066
高値 1.1071
安値 1.1011