新年度の1日から、年金の支給額や医療保険の保険料などが変更されます。

年金は、去年、物価と賃金の水準がそれぞれ上昇したことから、2年続けて引き上げられます。ただ、年金の財政基盤を強化するため、支給額の伸び率を物価や賃金の上昇よりも低く抑える「マクロ経済スライド」が実施されるため、伸び率は、本来の0.3%から、0.1ポイント差し引かれ、0.2%に圧縮されます。

国民年金の支給額は、1か月当たり満額で133円増えて6万5141円に、厚生年金は夫婦2人の標準的な世帯で458円増えて、月額22万724円となります。一方、国民年金の保険料は、月額1万6540円と130円上がります。

また、医療分野では、自営業者などが加入する「国民健康保険」の年間の保険料の上限額が前の年度より2万円引き上げられて82万円になります。上限額を支払う対象は、年収がおよそ1120万円以上の単身世帯です。

75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」でも、年間の保険料の上限額が、前の年度より2万円引き上げられて、64万円になります。年金収入がおよそ910万円以上の人が対象となります。

さらに、診療報酬の改定によって、紹介状のない患者に、初診で5000円以上を診察料に上乗せする制度の対象が、病床数400床以上の規模の大きな病院から、200床以上の中規模の病院にまで広がります。