- NY原油先物は一時35%上昇も上げ幅縮小、市場に混乱広がる
- 減産規模が1500万バレルに上る可能性もあるとトランプ大統領
トランプ米大統領は2日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と会談したとした上で、サウジとロシアが原油生産を約1000万バレル削減すると見込んでいるとツイッターに投稿した。これを受け、ニューヨークの原油先物相場は急伸した。しかし、このツイートの直後から、懐疑的な見方が出ている。
原油相場が約20年ぶり安値に下落したことを受け、この2日間、各方面と電話協議してきたトランプ大統領は続くツイートで、減産規模が「1500万バレルに上る可能性もある」とした。大統領はこの数字が日量だとは言っていないが、市場は日量と受け止めて反応した。
サウジはトランプ大統領のツイート直後、「公正な合意」を議論するため石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟主要産油国で構成する「OPECプラス」、さらに他の国々に「緊急会合」を呼び掛けたと表明。他国が減産する場合に限り自国も減産するとの立場を示唆した。
トランプ政権とサウジの協議について詳しい関係者は、大統領がツイートで何を言おうとしたかについて政権内でも混乱が広がっており、大統領が掲げた数字は信頼性を欠く可能性があると語った。
トランプ大統領はツイートで、サウジ皇太子が自分と会談後にロシアのプーチン大統領と話したとコメントしたが、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、プーチン大統領はサウジ皇太子と話しておらず、サウジとの間で減産合意していないと説明した。
ホワイトハウスはトランプ大統領のツイートについてコメントを控えた。ニューヨークの原油先物相場は一時35%上昇したが、その後は上げ幅を縮小し、ニューヨーク時間2日午後1時39分(日本時間3日午前2時39分)時点で約21%高の1バレル=24.58ドルで推移している。
原題:Trump’s Disputed Claim of Saudi, Russia Oil Cuts Jolts Markets(抜粋)