東京都は2日、都内の新型コロナウイルスの軽症や無症状の感染者について、宿泊施設か自宅での療養に移行させる方針を固めた。現行では症状の程度にかかわらず原則全ての患者が入院することになっているが、感染者の急増で都内の病床は逼迫(ひっぱく)。重症者向けの病床を優先的に確保する必要があると判断した。都内のホテルを確保できる見通しで、3日にも発表する。
新型コロナは検査で感染が確認されれば、軽症や無症状でも原則入院させている。一方で都内の感染者は3月25日に41人が確認されて以降、高水準で推移。都は軽症と無症状者の扱いについて厚生労働省などと協議していた。
都は受け入れ側の態勢が整い次第、入院患者のうち特に症状の軽い人を移す方針。宿泊施設での療養に関する関係者向けの運営マニュアルも作る。今後も受け入れ施設のさらなる確保に向け、調整を進める。
2日現在、都内の感染者の累計は684人に上った。ただ、このうち重症者は18人で、残りの多くは軽症と無症状者という。これまで56人が退院しているが、現在都で確保している病床は軽症・重症者用含めて約700床で、担当者は「病院に協力を依頼しているが、逼迫している」と危機感を強めている。
都は重篤・重症者向けに集中治療室など700床、酸素投与が必要な中等症者向けに3300床の計4000床の確保を目指している。