シェアオフィス事業を展開する米ウィーワークの独立取締役2人は、ソフトバンクグループが株式公開買い付け(TOB)を取りやめたことは契約義務違反だとして、同社を相手取って訴訟を起こした。ソフトバンクGはウィーワークのアダム・ニューマン前最高経営責任者(CEO)や他の株主から30億ドル(約3270億円)相当の株式を買い取ることで合意していた。
ウィーワークの特別委員会は7日の発表資料で、ソフトバンクGは合意を履行しなかったことで、契約上の義務とフィデューシャリー・デューティー(信任を受けた者が履行すべき義務)に違反したと主張した。
特別委はベンチマーク・キャピタルのブルース・ダンリービー氏と、別の独立取締役ルー・フランクフォート氏から成る。
同資料で両氏は、「アクティビスト投資家からの高まる圧力にさらされているソフトバンクは契約上の義務を果たさず、TOB完了を回避するための意図的なキャンペーンを行った」と主張。「ソフトバンクがウィーワークの少数株主の利益より自社の利益を優先し続けていることは遺憾だ」とした。
ソフトバンク側の広報担当者はコメントを控えた。ソフトバンクG株を保有するヘッジファンド運営会社エリオット・マネジメントは、ソフトバンクGに企業価値を引き上げるよう求めている。
特別委はデラウェア州衡平法裁判所に提訴した。
原題:WeWork Directors Sue SoftBank Over Decision to Abandon Deal (1)(抜粋)