米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は大規模な景気悪化と2008年の金融危機時のようなストレスをもたらすとの見方を示した。
ダイモン氏は6日、株主宛ての年次書簡で、パンデミックは「最低でも、2008年の危機と同様の金融ストレスを伴う悪いリセッション(景気後退)をもたらすと考えている」とした上で、「当行もこのようなストレスの影響を受けないでいることはできない」と説明した。
ダイモン氏は心臓の緊急手術から復帰して1週間弱。前回新型コロナについて公に言及したのは2月25日だったが、当時はまだ米国での感染例は60に満たず、脅威は遠いものと思われていた。
同氏は現在の状況に対応してJPモルガンが配当を減らす「可能性は低い」とし、そのような行動は「極端に用心深い」措置をとる場合だけだろうと指摘した。
書簡全体を通して従業員と事業、コミュニティーを支えるための取り組みを説明したものの、過去の書簡で行ったような公共政策についての長文の意見表明は今回はなかった。
原題:Dimon Sees ‘Bad Recession’ and Echoes of 2008 Crisis Ahead(抜粋)