[ニューヨーク 9日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが広範な通貨に対し下落した。新型コロナウイルス感染拡大の抑制策で米国の週間新規失業保険申請件数が2週連続で600万件を上回る中、米連邦準備理事会(FRB)が対策の一環として総額2兆3000億ドルの緊急支援を打ち出したことで、ドルに対する安全需要が減退した。 

労働省が朝方発表した4月4日終了週の新規失業保険申請件数は660万6000件と、2週連続で600万件を上回り、3月21日終了週からの3週間の合計は1678万件となった。 

新型ウイルス拡大の影響が広まる中、FRBは中小企業に対する最大6000億ドルの融資のほか、最大5000億ドルの地方政府支援など柱とする総額2兆3000億ドルの緊急支援策を発表。パウエルFRB議長は米シンクタンクのブルッキングス研究所が主催したオンラインイベントで、新型コロナウイルスの感染拡大によるダメージから米経済が完全に回復し始めるまで、FRBは利用可能なあらゆる手段を使い続けると表明した。 

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)のシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBが断固とした措置を打ち出したことで、労働市場に関する恐ろしいニュースの影響が緩和された」と指摘。「FRBがこの日に発表した措置はFRBが無限の力を持っていることを明確に示すもので、週初から見られている市場の安定の継続につながっている」と述べた。 

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数=USDは0.54%安の99.58。ドルは対円JPY=で0.37%安の108.41円、対ユーロEUR=で0.60%安の1.0921ドル。 

一方、豪ドルなどのリスクが高い通貨はアウトパフォーム。豪ドルは対米ドルAUD=で1.75%高の0.6335米ドルと、約1カ月ぶりの高値を付けた。 カナダドルCADとノルウェークローネNOK=は一時上昇していたものの、原油安を受け上昇幅のほぼ全てを失った。 

10日の米金融市場はグッドフライデーのため休場となる。 

ドル/円 
  NY終値 108.46/108.49 
    始値 108.81 
    高値 108.91 
    安値 108.22 

ユーロ/ドル 
  NY終値 1.0927/1.0931 
    始値 1.0859 
    高値 1.0951 
    安値 1.0850