[ニューヨーク 14日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が2週間ぶりの安値を付けた。新型コロナウイルスの発生源となった中国の経済指標が予想ほど悪化しなかったことでリスク選好度が回復し、安全通貨とされるドルから高リスク通貨に資金が流れた。
中国税関総署が発表した貿易統計によると、3月の輸出はドル建てで前年比6.6%減少したが、予想の14%ほど大きく減少しなかった。輸入は0.9%減少したが、予想の9.5%ほどは落ち込まなかった。
アクション・エコノミクスのエコノミストは「連休が明けて世界中の市場が完全に動き始める中、ドルは『リスクオン』の動きを受け緩やかな下落傾向にある」とし、「中国の3月の貿易統計では、1月と2月に大きく縮小した後に輸出入ともに減少ペースの鈍化が確認され、アジアの株式市場では強気の足掛かりとなった」とした。
米国では新型ウイルス感染による死者数の増加ペースが鈍化。安全通貨と見なされるドルから高いリスク通貨に資金が流れる要因となっている。
主要6通貨に対するドル指数=USDは0.50%安の98.90。ドルは対円JPY=で0.52%安の107.2円、対ユーロEUR=で0.62%安の1.0981ドル。
中国の需要動向に敏感に反応しやすい豪ドルAUD=は一時約1カ月ぶりの高値に上昇。終盤の取引で0.80%高の0.6432米ドルとなっている。
MUFGの外為アナリスト、リー・ハードマン氏は「世界的なリスク心理の改善と米連邦準備理事会(FRB)の積極的な新型ウイルス対応策がドル相場に対する一段の重しになり始めている」と述べた。
ドル/円
NY終値 107.20/107.23
始値 107.42
高値 107.44
安値 106.99
ユーロ/ドル
NY終値 1.0979/1.0983
始値 1.0942
高値 1.0987
安値 1.0942