3月の米小売売上高は前月比で過去最大の落ち込みを記録した。新型コロナウイルスの影響で多くの店舗が閉鎖を余儀なくされ、失業者が急増したことが背景にある。
キーポイント | |
・前月比8.7%減と、統計が始まった1992年以来で最大の減少率 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は8.0%減、予想レンジは前月比変わらずから24%減 |
13のカテゴリーのうち8項目で減少。特に衣料品は50.5%減と落ち込みが激しく、家具も26.8%減少した。飲食店は26.5%のマイナス。一方、生活必需品の買いだめで、食品・飲料は25.6%増と過去最高の伸びを記録した。健康用品や総合小売店、無店舗小売店でも売り上げが増加した。
3月に新型コロナ対策が急速に強まり、州政府はレストランやバーでの飲食を禁じ、住民に自宅にとどまるよう要請し始めた。大幅な人員削減は4月に入っても続いており、消費者の購買力を急速に弱めている。
インサイト:
- 3月の小売売上高は前年同月比では6.2%減少。2月は同4.6%増だった
- 飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたベースのコア売上高は、予想外に増加し、前月比1.7%増
- 食料品店や総合小売店での購入を反映
- ガソリンスタンドは17.2%減少
- 燃料価格の下落と需要減の両方を反映している可能性が高い
- 全米自動車協会(AAA)によると、3月末のガソリン小売価格は全米平均で1ガロン=2ドルを下回っていた
- 自動車・同部品は25.6減。自動車とガソリンスタンドを除くベースの小売売上高は3.1%減
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:U.S. Retail Sales Plunge Record 8.7% After Paychecks Disappear(抜粋)