政府の「緊急事態宣言」が出て2週間がたったことについて、感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「これから2週間ほどの期間が今後、感染が拡大していくかどうかの大きな分かれ道になる」と指摘しています。
現在の状況について賀来特任教授は「楽観視できる状態ではないが、1日の患者数で見ると東京都では前の日より減る日があり、また、兵庫県などのようにここ数日、明らかに減っている地域も出てきている。これは緊急事態宣言前の対策が一定の効果を見せている可能性がある。今後、2週間ほどの推移が、緊急事態宣言に伴ってわたしたちがきちんと行動変容できたのか、対策の評価が下る重要な期間となるだろう」と話しています。
一方、今後の見通しについては「たとえ1度、感染者数が減ったとしても、このウイルスは油断したとたんにいつの間にか感染者数が増加に転じるおそれがあり、制御が非常に難しい。5月6日で緊急事態宣言を一気に解除するというのは現実的ではない。流行の状況を見ながら延長したり、段階的に解除を検討するというのが現実的ではないか。日々の患者の増減に関わりなく、わたしたちはこのウイルスとしばらくつきあう覚悟を持って密閉、密接、密集の『3つの密』を避け、人との接触を8割減らすという対策を続けていく必要がある」と指摘しました。