[ニューヨーク 21日 ロイター] – 米国時間の原油先物市場では、北海ブレント先物が大幅安となった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)によって燃料需要が一掃され、原油の世界的な過剰供給が強まるとの見方は収束せず、原油市場を巡る混乱が続いた。 

北海ブレント先物6月限LCOc1の清算値は6.24ドル(24%)安の1バレル=19.33ドル。一方、22日から中心限月となる米WTI原油先物6月限CLc2は8.86ドル(43%)安の11.57ドル。この日のWTI先物6月限の商いは過去最高の200万枚超となった。 

取引時間中には北海ブレントは一時17.51ドルと、2001年11月以来の安値に下落。WTI先物6月限は6.50ドルと最安値を付けた。 

前日にマイナス37.63ドルで取引を終えたWTI先物5月限CLc1はこの日、プラス圏に浮上し、清算値は10.01ドルとなった。 

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「原油貯蔵を巡る制約や在庫の増加、需要に対する懸念が緩和するとみられる材料は何もない」と述べた。 

トランプ米大統領は21日、米原油先物の暴落を受け、米石油・ガス業界への金融支援を策定するよう連邦政府に指示したと明らかにした。 

一方、テキサス州では原油・ガス規制当局が産油業者に対する強制的な減産を拒否した。