- 基調判断は「生産は低下している」-従来「一進一退ながら弱含み」
- 4月の予測指数は前月比1.4%上昇-経産省試算値は1.3%低下
3月の鉱工業生産指数(2015年=100、季節調整済み)は前月比3.7%低下と、2カ月連続のマイナスとなった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が表れる中、基調判断は「生産は低下している」に下方修正された。経済産業省が30日発表した。
キーポイント |
・生産指数は前月比3.7%低下(ブルームバーグ調査の予想中央値は5.0%低下)の95.8-前月は0.3%低下 ・出荷指数は前月比5.0%低下、在庫指数は1.9%上昇、在庫率指数は8.5%上昇 ・製造工業生産予測調査によると、4月は前月比1.4%上昇、5月は1.4%低下見込み ・予測誤差を加工した4月の試算値は1.3%低下 ・従来の基調判断は「生産は一進一退ながら弱含み」だった |
背景
- 内閣府は23日公表した4月の月例経済報告で、新型コロナウイルスの感染拡大により国内景気は「急速に悪化」しているとし、景気の総括判断を2カ月連続で下方修正。生産の判断は4カ月ぶりに引き下げた
- 新型コロナの感染拡大で世界の経済活動が停滞する中、日本の3月の輸出は前年同月比11.7%減と2016年7月以来の大幅な落ち込みだった
エコノミストの見方
第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト(24日付リポート):
- 需要急減を受けて、4月には自動車メーカーが相次いで工場の操業停止を行うなど、足元では状況は一段と悪化している
- 4月は一段の落ち込みが避けられない情勢