• 米新規失業保険申請384万件、米個人消費は過去最大の落ち込み
  • FRBプログラム対象拡大、ECB危機対応を強化、米FDA長官

米国株は主要3指数がそろって反落。経済指標が連日記録的な悪化を示し、多くの企業が業績見通しを撤回する中、新型コロナ治療薬に関する期待と、実体経済に対する懸念の綱引きが続いています。日経平均が2万円台を回復した日本市場の、連休前日の相場展開が注目されます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

6週間で3000万件超

米国の先週の新規失業保険申請件数は384万件。市場予想は350万件だった。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の影響を受けたこの6週間の合計は3000万件を上回った。ただ、件数は4週連続で鈍化。労働市場の最悪期は既に過ぎている可能性を示唆した。5月8日発表の4月の雇用統計では非農業部門雇用者数は2200万人減、失業率は16.3%が予想されている。

米経済のエンジンに大打撃

3月の米個人消費支出は前月比7.5%減と、統計開始以降で最大の落ち込み。市場予想は5.1%減だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う広範な経済活動停止や失業が、経済の原動力である消費に大きな打撃をもたらした。個人所得は2%減で、2013年1月以来最大のマイナス。賃金・給料が3.1%減少した。

対象拡大

米連邦準備制度理事会(FRB)はメインストリート貸付プログラムの範囲を拡大し、より多くの企業が対象となるようにする。新型コロナの感染拡大が続く中、米経済への信用の流れを維持するのが狙い。従業員1万5000人以下、または年間売上高50億ドル(約5340億円)以下の企業がプログラムの対象になると発表。従来の規定と比較し、売上高の上限は2倍となり、従業員数の上限は5000人引き上げられた。

危機対応を強化

欧州中央銀行(ECB)は、新型コロナウイルス危機への対応を強化し、条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO3)の最低金利を中銀預金金利より50bp低い水準に引き下げることを決めた。今回新たに打ち出した、条件を付けない長期リファイナンスオペ「パンデミック緊急長期リファイナンスオペ(PELTRO)」の金利はリファイナンスオペの最低応札金利より25bp低くする。ラガルド総裁は政策発表後のバーチャル記者会見で、今年のユーロ圏経済が最大で12%縮小する可能性があると警告した。

極めて迅速に

米食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療薬の候補とされる米ギリアド・サイエンシズの抗ウイルス薬レムデシビルについて、「電光石火の速さ」でデータを検証していると、ハーンFDA長官が述べた。レムデシビルは米国での臨床試験で肯定的な結果を示した。長官はインタビューで「ギリアドと共同でスピードの必要性を重視しつつ、データの検証に努めている」と述べた。

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