[ニューヨーク 30日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、月末を迎えポートフォリオ調整の動きが広がる中、ユーロが値上がりする一方、円は値下がりした。
ウエルズ・ファーゴ(ニューヨーク)のマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「資金フローが取引要因になったもようだ」と指摘した。
ユーロ/ドルEUR=は0.8%高の1.0957ドルと4月15日以来の高値を付けた。欧州中央銀行(ECB)は新型コロナウイルス危機への対応として、必要に応じて量的緩和(QE)を拡大する用意があると表明した。一方、この日の理事会では通常の資産買取対象にジャンク債(投資不適格債)を含めるかどうかについては議論しなかった。
市場ではECBがジャンク債に関して議論しなかったことが投資家の失望を誘ったという。
円は対ドルJPY= JPYX1=で0.5%安の107.27円。円を米ドルに交換する際の上乗せ金利JPYCBS3M=ICAPは1カ月ぶりにマイナスとなり、円に対する旺盛なドル需要を示した。
ドルは通貨バスケット=USDに対し一時99.73に上昇したものの、その後は押し戻され、0.5%安の98.99。
経済の一部再開に伴い市場ではリスク選好が上向いており、こうした流れが継続すれば、安全資産としてのドルへの需要はさらに後退する可能性もある。
OANDA(ロンドン)のシニア市場アナリスト、クレイグ・エアラム氏は「リスク選好が多少改善すれば、ドルの上昇圧力も弱まるだろう」と指摘した。
ドル/円
NY終値 107.17/107.2
始値 106.57
高値 107.49
安値 106.46
ユーロ/ドル
NY終値 1.0955/1.095
始値 1.0873
高値 1.0971
安値 1.0834