- 米民間雇用者が急減、米国債発行額が過去最高、独が経済活動再開へ
- 中国は経済成長の数値目標見送りか、ユーロ圏経済は大きく悪化へ
欧州の一部で、新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限措置を緩和する動きが広がりつつあります。ドイツではレストランや商店の5月中の営業再開が可能となり、英国でも11日からロックダウン措置が緩和される見通しです。各国とも感染拡大の第2波を警戒しつつ、本格的な活動再開に向けて準備を進めていくことになりそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
桁外れ
ADPリサーチ・インスティテュートが発表した4月の米民間雇用者数は前月比2020万人減と、2002年の統計開始後で最大の落ち込みを記録した。新型コロナ流行拡大を抑制するため、企業活動がほぼ停止状態に陥ったことが影響した。今回のADP統計からは、8日発表される米政府の4月雇用統計の大幅な悪化が示唆される。
過去最高に引き上げ
米財務省は四半期定例入札で発行する国債の規模を、過去最高の960億ドル(約10兆1900億円)に引き上げた。再開される20年債入札については5月20日に実施し、最初の規模は200億ドルになる予定。同省は声明で、新型コロナ感染拡大への「連邦政府の対応により、財務省の借り入れニーズは顕著に高まっている」と説明した。
大きな一歩
ドイツは経済活動を再開する方向に大きく踏み出した。全ての店舗に人数を制限した上での営業再開が認められるほか、レストランは9日から衛生管理などを徹底した上で再開できる。サッカーリーグは今月後半に再開予定。ただ社会的距離を維持する措置は少なくとも6月5日まで延長される。
数値設定見送りか
中国の指導部は新型コロナ感染拡大による不透明感を理由に、今年の経済成長に数値目標を採用しない選択肢を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。今月開催予定の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)では、国内総生産(GDP)の目標を成長率の数値ではなく文章化して発表する可能性があると、関係者の1人が述べた。
大幅に悪化
欧州連合(EU)の欧州委員会は、今年のユーロ圏経済が7.7%縮小し、失業率や公的債務の水準が大幅に上昇するとの見通しを示した。新型コロナ感染拡大を抑えるための制限措置が響くとしている。欧州委は観光業への依存度や企業・家計への支援能力がEU各国で異なることから、新型コロナ危機で域内の南北格差が一段と広がり、ユーロ圏が限界に追い込まれる恐れがあると警告した。
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