新型コロナウイルス対策本部会議後、取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=5日午後、府庁
新型コロナウイルス対策本部会議後、取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=5日午後、府庁

 大阪府は5日、国の新型コロナウイルス緊急事態宣言の延長を受け、休業と外出自粛要請の段階的な解除に向けた府独自の基準「大阪モデル」を発表した。原則として5月末までの休業、自粛を府民に要請した上で、感染経路不明の新規患者数陽性率を考慮して解除の可否を判断していく。15日から運用を開始する予定。

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 解除基準は(1)感染経路不明の新規患者が10人未満(過去7日間の平均値)(2)PCR検査による陽性率が7%未満(同)(3)重症病床の使用率が60%未満―の三つ。いずれの指標も7日間連続で下回れば、段階的に自粛を解除する
 一方、感染経路不明の新規患者数が5~10人以上、陽性率が7%以上などの指標に基づき「感染爆発の兆候」が見られた際は、段階的な自粛要請を行う。

新型コロナウイルス対策本部会議後、取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=5日午後、府庁
新型コロナウイルス対策本部会議後、取材に応じる大阪府の吉村洋文知事=5日午後、府庁

 吉村洋文知事は「(解除に向けた)出口戦略をしっかり持って感染症を抑え込みながら、一方で社会経済活動も両立させていくことが重要だ。第2波、第3波を想定しながらウイルスと共存する道を探っていきたい」と国に先駆けて独自基準を設けた意義を語った。

 府の専門家会議で座長を務める朝野和典大阪大学大学院教授は「簡単に数字を出すと独り歩きするかもしれない。(医療者としては数字の打ち出しに)慎重にならざるを得ない」と指摘しつつ、独自モデルを作ったこと自体は「(感染が拡大して)危ないというアラートが(府民に早く)出せる」と評価した。

 府はホームページなどを通じて独自基準の数値を公開する。また、府は府立学校の休校期間を31日まで延長する一方、児童生徒の健康状態を把握するため週に1~2日、2時間程度の登校日を設けることも決めた。