[北京 10日 ロイター] – 中国外務省は9日夜にウェブサイトに掲載した30ページに及ぶ文書で、同国の新型コロナウイルス感染拡大への対応について米政府要人が行った24項目の「不合理な主張」について反論した。 

ポンペオ国務長官をはじめとする米政府要人は、中国政府が新型コロナ流行に関する情報を完全に開示しなかったほか、武漢市の研究所が新型ウイルスの発生源だと主張してきた。これに対し、中国外務省はここ1週間の定例会見で反論を繰り広げていた。 

ウェブサイトに掲載された文書はこれまでの会見でのコメントを繰り返したり、説明を追加した内容。序章は19世紀のリンカーン大統領を引き合いに出し「リンカーン氏が言ったように、一部の人をだまし続けたり、全ての人を一時期だますことはできても、全ての人をいつまでもだまし続けることはできない」と訴えた。 

また、武漢市で最初の感染例が報告される前に米国人が感染していたとのメディアの報道を引用した。ただ、これが真実だと示す証拠はない。 

武漢ウイルス研究所(WIV)が新型コロナウイルスを人工的に作り出した、あるいは同研究所からウイルスが流出したという説が米国で唱えられていることに対しては、同ウイルスは人工的なものではなく、同研究所は新型コロナウイルスを合成する能力がないと全ての証拠が示していると主張した。 

さらに、中国による新型コロナの情報開示は「オープンで透明性があり」、「時宜にかなっていた」ことを時系列で解説した。 

早期から新型コロナ感染拡大の危険性を指摘していた中国の医師、李文亮氏への中国政府の対応に関する欧米の批判にも反論。同医師は新型コロナ感染症で2月に死亡した。