【ソウル時事】元慰安婦の韓国人女性が支援団体を批判し、ソウルの日本大使館付近で毎週水曜に開かれている同団体主催の抗議集会について「憎悪だけを教えている。なくすべきだ」と訴え、波紋を広げている。団体側は「活動で不足した点がなかったか省みる契機とする」と表明したが、今後の展開次第では慰安婦問題の先行きに影響を与える可能性もありそうだ。
韓国メディアによると、元慰安婦の李容洙さんは7日、南東部・大邱市で記者会見し、支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」が集めた資金が「どこに使われたか分からない」などと述べ、不透明な会計処理を指摘。抗議集会に今後参加しない考えを示した。
正義連代表を務め、4月の総選挙で与党の比例代表として当選した尹美香氏に関しても、「国会議員になっては駄目だ。慰安婦問題を解決すべきだ」と批判した。
尹氏は8日、自身のフェイスブックで「正義連の活動と会計は徹底して管理し、監査も受け報告している」と反論。抗議集会は「平和、人権教育を体験する現場になっている」と重要性を強調した。尹氏によると、会見以降、李さんと連絡が取れていないという。
李さんは30年近く慰安婦問題に携わり、2007年の米下院の対日非難決議採択にも取り組んだことで知られる。