[ニューヨーク 11日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇。株式が買われ、国債が売られるリスク相場の中でも、安全資産とされるドルが買われた。 

この日の市場では、新型コロナウイルス感染の第2波を巡る懸念や各国での経済再開の動きの中、リスクを巡る見方がまちまちだった。 

中国の上海ディズニーランドがこの日、約3カ月ぶりに営業を再開したほか、フランスでも約2カ月にわたって実施されていた都市封鎖(ロックダウン)が緩和された。一方、一足早く新型コロナを巡る外出制限措置が緩和されたドイツなどでは感染が再拡大する様相を見せており、拙速な制限緩和が新型コロナ感染の「第2波」を招きかねないとの不安が高まった。 

アクション・エコノミクスのアナリストは「市場は早すぎる経済再開が感染の第2波を招くと懸念しており、それにより投資家が警戒を続ける」と述べた。 

ただ、メルク・インベストメンツのアクセル・メルク社長兼最高投資責任者は「いわゆるリスクオフの環境ではない」と分析。 

主要通貨に対するドル指数=USD0.37%高の100.16。スイスフランは対ユーロEURCHF=で2週間超ぶり水準に上昇した。 同じく安全資産とされる円は幅広く下落。対ドルJPY=では0.93%安の107.62円。対ユーロEURJPY=でも0.69%安の116.38円となった。 ユーロは対ドルEUR=で約0.26%安の1.081ドル。 

アナリストによると、今週は米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が13日に行う講演のほか、物価、失業保険、小売支出関連の経済指標が材料視されそうだという。 

ドル/円 
 NY終値 107.66/107.6 
   始値 107.22 
高値 107.76 
   安値 107.25 

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.0806/1.081 
   始値 1.0817 
   高値 1.0843 
   安値 1.0802