【モスクワ=田村雄】ロシアのプーチン大統領は11日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のために経済活動を休日並みに抑制する「非労働」期間について、11日までで終了すると表明した。今後は連邦を構成する共和国や州、首都モスクワ市などが、それぞれ経済活動や外出に対する制限を緩和するかどうか判断する。

 感染者がロシア国内の過半数を占めるモスクワ市のセルゲイ・ソビャニン市長は既に、原則的な外出禁止措置を今月末まで継続しつつ、12日からは建設業など一部で業務再開を認めることを明らかにしている。一方で、12日から公共交通機関や商業施設でマスクと手袋の着用を義務づける。

 モスクワより感染者が少ない共和国や州では、制限緩和が相次ぐ可能性もある。

 ただ、ロシアでは1日約1万人のペースで感染者数が増えており、増加に歯止めがかかっていない。政府は11日、国内の感染者数が前日から1万1656人増え、22万1344人になったと発表した。経済活動や外出への制限緩和で人と人の接触機会が増えると、感染がさらに拡大する恐れがある。

 「非労働」期間は感染者の急増を受け、3月下旬からロシア全土に導入していた。