• FRB議長は長期的な経済打撃を警戒、中国の米農産物購入に意欲も
  • サノフィのワクチン供給、米政府が年金基金に圧力、対抗措置を準備

「米連邦準備制度理事会(FRB)が市場を率いる前に、市場がしっかりとFRBを先導する」と話すのはミスクラー・ファイナンシャルのトニー・ファレン氏。マイナス金利の可能性について、パウエルFRB議長からあらためて否定的な発言が出ましたが、ファレン氏は政策金利より前に市場金利がマイナス圏に突入しても驚きではないとして、財務省短期証券(Tビル)の金利や2年債利回りに注目しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

長期的な打撃

FRBのパウエル議長は、米経済が前例のない下振れリスクに直面していると指摘し、財政および金融当局がこの試練に立ち向かわなければ、家計や企業に長期的な打撃を及ぼす恐れがあると警告。「追加の財政出動はコストが伴う可能性があるが、長期的な経済的打撃の回避に寄与し、一段と力強い回復を遂げられるのであればその価値はある」と述べた。

雰囲気次第

中国の農業調査会社、上海匯易の李強会長は、米国のトウモロコシ価格が10年ぶりの安値に下げ、中国にとっては大量輸入の良い機会があったが、ぎくしゃくする米中関係を理由に購入を見送ったと述べた。中国が米国からの輸入を拡大できるよう米国が友好的な雰囲気を作り出すのであれば、中国は米農産物を購入する約束を依然積極的に果たす意向だと、同氏は説明した。

アメリカ・ファースト

フランスの製薬大手サノフィは新型コロナウイルスのワクチンの実用化に成功した場合、米国に最初に供給する公算が大きい。ハドソン最高経営責任者(CEO)は、同社のワクチン研究に真っ先に資金を投じたのは米国だったからだと説明。欧州はパンデミック(世界的な大流行)から住民を守る取り組みを強化しない限り、後れをとるリスクがあると警告した。

圧力に屈する

米連邦政府職員の退職年金基金を運営する連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)は、約500億ドル(約5兆3500億円)規模の国際ファンドのベンチマーク切り替えを遅らせると発表した。FRTIBはトランプ政権と一部議員から、中国株を含む指数への切り替えを先送りするよう圧力を受けていた。

応酬再開か

新型コロナ関連で中国に賠償を求めて訴えを起こした米国の個人や団体、州当局を対象に、中国は懲罰的な対抗措置を検討している。環球時報が報じた。「中国を悪者にした訴訟の乱用に対抗するため、政府は既に米議会の一部議員やミズーリ州、関連する個人や団体を対象に必要な懲罰的措置を講じるべく準備を進めている」と胡錫進編集長はツイッターに投稿した。

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