• パウエル議長の回復見通し、サウジ政府系ファンドの借り入れ戦略
  • 米の中国非難、中国は半導体てこ入れ、宇宙飛行士をロボット支援

米国民の支持率でトランプ大統領を上回り、歴代の連邦準備制度理事会(FRB)議長で最高のグリーンスパン氏に迫るパウエル氏。新型コロナウイルス前の経済に戻るには、時間がかかるとの見方をあらためて示しました。19日には議会で、追加の景気対策の必要性を議員に訴える見通しですが、トランプ氏と共和党はすでに冷ややかな反応です。FRBの役割を超えずにどこまで議員を説得できるか、パウエル氏のコミュニケーション力が問われます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ワクチン頼み

パウエルFRB議長は新型コロナの危機から米経済は回復するが、その過程は2021年の終わりまで長引く可能性があると述べた。議長は13日に収録されたCBSのインタビューで、「感染第2波が来ないと仮定した場合、経済は年後半を通して着実に回復するだろう」とした上で、「完全復活には国民の信頼が十分でなければならず、それにはワクチンの出現を待たなくてはならないかもしれない」とも述べた。インタビューの全編は米東部時間17日午後7時から放映予定。

借り入れの担保

サウジアラビアの政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)は、ソフトバンクグループのビジョン・ファンドへの投資を担保に、約100億ドル(約1兆700億円)の借り入れを計画していると、関係者が明らかにした。複数の投資銀行と話し合いをしているという。PIFは17日の声明で、「検討すらもしていない」と否定した。PIFは四半期の届け出で、フェイスブックやボーイング、シティグループなどの株式取得を開示している。

連日の集中砲火

ナバロ米大統領補佐官はABCの番組で、「ウイルスは武漢で作られ、11月には最初の患者が存在した」と発言。「中国は世界保健機関(WHO)という盾の後ろで2カ月の間、ウイルスを世界から隠蔽(いんぺい)し、数十万という中国人をミラノやニューヨークなど世界各地に旅客機で送り込み、拡散させた」と語った。

中国側の防衛

中国政府系のファンドが中芯国際集成電路製造(SMIC)のウエハー工場に22億5000万ドル(約2400億円)を出資した。米政府がテクノロジーを巡る対中輸出規制を強化する中で、中国は国内の半導体製造を支援する。今回の投資後に上海工場の登録資本は35億ドルから65億ドルに膨らむ。同工場は14ナノメーターのウエハーの生産能力を現在の月6000枚から3万5000枚に引き上げる計画。

将来のマーケット

GITAIは宇宙飛行士の作業を代替するアバターロボットを日本支社で開発している。宇宙飛行士の山崎直子氏によると、物品の管理や実験機器の入れ替えなどメンテナンスに多くの時間を費やす必要がある。こうした作業をロボットが支援するようになれば、科学実験のほか、より創造的な活動に時間を活用できるという。GITAIは来年5月に予定している米ナノラックスとのISSでの実証実験に向け準備を進めている。

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