[ニューヨーク 18日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ユーロがドルやスイスフランに対して大幅高。フランスとドイツが18日、新型コロナウイルスの打撃を受けた加盟国への支援として、5000億ユーロ(5430億ドル)規模の復興基金の創設を提案したことが材料となった。
復興基金の仕組みとしては、貸付(ローン)ではなく供与(グラント)の形で各国に資金を配分。資金の手当ては欧州委員会が行えるようにし、欧州連合(EU)名義による金融市場での借り入れを容認する。また資金は欧州の共通予算の下で返済する。
ユーロ/ドルEUR=は一時1.0926ドルと、5月4日以来の高値を付けた。その後は0.8%高の1.0911ドル。ユーロ/スイスフランEURCHF=は1%上昇し約2カ月ぶり高値。
マネックス・ヨーロッパのFXアナリスト、サイモン・ハービー氏は「仏独の提案にはEUの共通債発行への進展がうかがえる」と指摘。破綻の先延ばしにしかならない貸付ではなく、返済義務のない供与としたところが評価できるとした。
ダンスケバンクの主任ストラテジスト、ピエト・ハイネス・クリスティアンセン氏は「提案の具体的な内容はポジティブサプライズだが、決定したわけではない」とした。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.721%安の99.666。原油価格の値上がりで資源国通貨が好調。ノルウェークローネは対ドルNOK=で1.97%高。カナダドルは対ドルCAD=で1.04%高。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は17日夕に放映されたCBS番組「60ミニッツ」の中で、米経済の回復プロセスは来年の終わりまで長引く可能性があるとし、完全な景気回復は新型コロナワクチンが開発されるかどうかに左右されるとの認識を示した。またコロナへの対応として一段の金融緩和に踏み切る用意があると強調した。
ドル/円
NY終値 107.33/107.36
始値 107.28
高値 107.50
安値 107.21
ユーロ/ドル
NY終値 1.0912/1.0915
始値 1.0811
高値 1.0926
安値 1.0806