トラブルが相次いでいる特別定額給付金(一律10万円給付)の申請をアイフォンでやってみた。申請は無事完了したが、申請開始から終了までなんと半日もかかってしまった。なにかの参考になればと思い、以下は簡単な経過報告。事前に用意するマイナンバー、パスワード、添付する証明書など事前準備は万全。スマホでマイナーポータルを呼び出し、「オンライン申請はこちら」の「ぴったりサービス」をクリック。環境チェックを完了して郵便番号の入力から「地域」を選択。滑り出しは順調だ。「ぴったり検索から」「特別定額給付金」を選択して入力画面へ。最初につまずいたのはマイナンバーカードから入力情報を読み取る場面。何度やっても必要情報が読み取れない。仕方なく手入力で次の画面に進む。

この先の入力はサクサクと進む。入力画面を保存する機能も活用しながら終了を目指す。ところが、電子署名のコーナーに来てはたと手が止まる。マイナンバーを読み込んで電子署名するのだが、どうしても読み込めない。この原因を究明するのに膨大な時間を浪費した。グーグルで検索したり総務省の解説画面を読んだりしたが、どうしてもわからない。悪戦苦闘するうちにネットでsafariには「プライベートブラウズモード」があることがわかる。これをオフにしないとマイナンバーが読み込めないのだ。入力情報が読み込めなかったのもここに原因があった。やっとの思いで電子署名をクリー。これで申請完了まであと一歩と思いきや、今度は最後の最後で送信画面が開かないのだ。

スマホを何気なく使っているとタブがいくつも開いてしまう。このタブを全て削除しないと、マイポータル画面から送信ボタンがあるsafariの画面に戻れないのだ。申請自体はそんなに難しくはないが、アイフォンの機能を熟知していないと申請が完了できない。「プライベートブラウズ」とか「タブの消去」とか知らない人が多いだろう。ネット申請のトラブルの原因はこんなところにもある。ITリテラシーが高くないと、ネット申請のハードルは高くなる。最大の問題は、そこを理解した上で申請用ソフトを作らない行政にある。利用者の実情を理解しないまま、行政の都合に合わせてシステムを作っているのだ。安倍政権が掲げるIT立国、気が遠くなるほど課題が多く、先行きは暗い。